第15回遺伝子実験施設セミナー
下記日程で、第15回遺伝子実験施設セミナーを開催します。
組織や器官形成の基になる細胞を、組織幹細胞と呼び、この細胞は自己複製能と分化した異なった細胞を作る能力(多分化能)を持ちます。つまり各臓器・組織は組織幹細胞を頂点とした分化度の異なる細胞によって構成されています。また、幹細胞はニッチと呼ばれる細胞外の微小環境によって、その自己複製能や未分化性の維持、そして分化のスイッチがコントロールされていることが知られていますが、ニッチの実体はまだ完全には明らかではありません。近年、癌組織においても、正常組織のような特定の細胞を起点とする階層性が存在することが見出され、その起点となる細胞を癌幹細胞と呼ぶようになりました。癌幹細胞の概念が出現したことによって、癌組織の構築プロセスや治療戦略に対する考え方が劇的に変化しつつあります。本セミナーでは、正常の造血幹細胞とそのニッチに関する研究で世界をリードしておられる新井文用先生と、白血病幹細胞研究のトップランナーで他の癌種の癌幹細胞研究の手本となる仕事を展開しておられる赤司浩一先生のお二人をお迎えし、最もホットな話題である幹細胞の生理と病理についてお話しいただき、その差異や共通点を聴衆の皆さんと討論したいと考えています。領域を問わず、基礎及び臨床からの多くの皆さんのご参加をお待ちいたしております。
多数の皆様のご来聴を歓迎致します。
テーマ:「ステムセル 〜その生理と病理〜」
日 時:2010年10月29日(金)15:00—17:00
場 所:熊本大学 生命資源研究・支援センター
遺伝子実験施設 6階 講義室(602)
(熊本市本荘2-2-1)
[グーグルMap] [学内の地図](No.17の建物)
座 長:慶應義塾大学 医学部 先端医科学研究所 教授
熊本大学 生命資源研究・支援センター 客員教授 佐谷 秀行
講師及び講演タイトル:
「造血幹細胞のニッチ制御」
慶應義塾大学 医学部 発生・分化生物学 講師
新井 文用
「造血系における腫瘍幹細胞」
九州大学医学研究院 病態修復内科(第一内科) 教授
赤司 浩一