GTC On Line News No.868

2007年10月 9日

 GTC On Line News No.860(2007年9月19日)でもお知らせしましたが、
本日、第92回遺伝子技術講習会を開催します。多数の方の御来聴を歓迎いたします。

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 === 第92回遺伝子技術講習会 ===

主 催;熊本大学 生命資源研究・支援センター 遺伝子実験施設
共 催;北海道システムサイエンス株式会社
    堤化学株式会社
テーマ;「mi RNAテクニカルセミナー」
    〜B-BridgeとExiqonで「きれいにmiRNA」〜
日 時;平成19年10月9日(火) 13:30〜15:30
場 所;熊本大学 生命資源研究・支援センター
     遺伝子実験施設 6階 講義室【602】
講 師;Marie-Louise Lunn 氏(エキシコン社)
     水谷隆之 氏(B-Bridge International, Inc.)
内 容;
  microRNA(miRNA)は、内在性のnon-coding RNAのひとつであり、標的遺伝子を配 列特異的に認識しmRNAの切断または翻訳抑制を行います。また、時期や部位特異的に 発現するなど、miRNAによる調節機構は非常に多様性を持つことで知られています。 近年では、発生や細胞死、細胞増殖といった様々な生物学的プロセスへの関与が報告 されています。特に、がんにおけるmiRNA発現様式の変化が種々報告され、miRNAが腫 瘍形成の要因となる可能性が示唆されているほか、miRNAの発現様式分析によるがん 診断および予後評価法の開発などが注目されています。
これまでmiRNAの複雑な特性より、有効な研究ツールが欠如していました。Exiqon社 では、LNA (Locked Nucleic Acid)とよばれる2つの環状構造をもつ核酸を利用するこ とで、この障壁を回避することに成功しました。LNAの特徴は、相補配列をもつDNAや RNAに対する熱安定性が上昇し、高い結合親和性を示すことです。このため検出感度 や特異性が高く、わずか1塩基のミスマッチでも識別可能となりました。また、天然 RNAに近い構造をもつため、細胞毒性が低いと考えられています。
この度ご案内させて頂く講習会では、miRNAのレビューやLNAの特性をご説明するとと もに、miRNAの検出・ノックダウン・発現プロファイリングを始めとした様々な機能 解析ツールを、そのデータを交えてご紹介致します。

○講演テーマ <予定トピック>:
・miRNAの作用機序・機能のご紹介
・LNA核酸の特性
・miRNAの検出・ノックダウンと機能解析
・miRNA発現プロファイリング用マイクロアレイ
〜乳がん検体を使用した結果の紹介をまじえて〜
・miR研究の関連ツール Exiqon・B-Bridgeのサービス

○miRNA関連商品にはこのようなものがあります:
Exiqon社:
・miRNA検出(in situ hybridization, Northern blot): miRCURY LNA Detection Probes
・miRNAノックダウン: miRCURY LNA Knockdown Probes
・miRNA網羅的発現解析 (マイクロアレイを利用): miRCURY LNA Array
その他、messenger RNA検出や単離を目的とした商品もございます。(例:FISH probe for Cytogenetics)

B-Bridge:
・miRNA過剰発現(合成RNAを利用): miCENTURY OX system, miNatural, siMature, Precursor
(レンチウイルスシステムを利用):miCENTURY OX Plasmids
・miRNA/標的遺伝子予測解析
・miRNA発現解析:QuantiMir qPCR kit (SBI)