下記日程で、第92回遺伝子技術講習会を開催します。多数の方の御来聴を歓迎いたします。

=== 第92回遺伝子技術講習会 ===

主 催;熊本大学 生命資源研究・支援センター 遺伝子実験施設
共 催;北海道システムサイエンス株式会社
    堤化学株式会社
テーマ;『miRNAテクニカルセミナー』
    〜B-BridgeとExiqonで「きれいにmiRNA」〜
日 時;平成19年10月9日(火) 13:30〜15:30
場 所;熊本大学 生命資源研究・支援センター
    遺伝子実験施設 6階 講義室【602】
講 師;Marie-Louise Lunn 氏(エキシコン社)
    水谷隆之 氏(B-Bridge International, Inc.)
内 容;
 microRNA(miRNA)は、内在性のnon-coding RNAのひとつであり、標的遺伝子を配列特異的に認識しmRNAの切断または翻訳抑制を行います。また、時期や部位特異的に発現するなど、miRNAによる調節機構は非常に多様性を持つことで知られています。近年では、発生や細胞死、細胞増殖といった様々な生物学的プロセスへの関与が報告されています。特に、がんにおけるmiRNA発現様式の変化が種々報告され、miRNAが腫瘍形成の要因となる可能性が示唆されているほか、miRNAの発現様式分析によるがん診断および予後評価法の開発などが注目されています。
 これまでmiRNAの複雑な特性より、有効な研究ツールが欠如していました。Exiqon社では、LNA(Locked Nucleic Acid)とよばれる2つの環状構造をもつ核酸を利用することで、この障壁を回避することに成功しました。LNAの特徴は、相補配列をもつDNAやRNAに対する熱安定性が上昇し、高い結合親和性を示すことです。このため検出感度や特異性が高く、わずか1塩基のミスマッチでも識別可能となりました。また、天然RNAに近い構造をもつため、細胞毒性が低いと考えられています。
 この度ご案内させて頂く講習会では、miRNAのレビューやLNAの特性をご説明するとともに、miRNAの検出・ノックダウン・発現プロファイリングを始めとした様々な機能解析ツールを、そのデータを交えてご紹介致します。

○講演テーマ <予定トピック>:
 ・miRNAの作用機序・機能のご紹介
 ・LNA核酸の特性
 ・miRNAの検出・ノックダウンと機能解析
 ・miRNA発現プロファイリング用マイクロアレイ
    〜乳がん検体を使用した結果の紹介をまじえて〜
 ・miR研究の関連ツール Exiqon・B-Bridgeのサービス

○miRNA関連商品にはこのようなものがあります:
 Exiqon社:
 ・miRNA検出(in situ hybridization, Northern blot):
       miRCURY LNA Detection Probes
 ・miRNAノックダウン:
       miRCURY LNA Knockdown Probes
 ・miRNA網羅的発現解析(マイクロアレイを利用):
       miRCURY LNA Array
  その他、messenger RNA検出や単離を目的とした商品もございます。
  (例:FISH probe for Cytogenetics)

 B-Bridge:
 ・miRNA過剰発現(合成RNAを利用):
       miCENTURY OX system, miNatural, siMature, Precursor
 ・miRNA過剰発現(レンチウイルスシステムを利用):
       miCENTURY OX Plasmids
 ・miRNA/標的遺伝子予測解析
 ・miRNA発現解析:QuantiMir qPCR kit (SBI)