下記日程で、第82回遺伝子技術講習会を開催します。このセミナーは、大学院医学教育部博士課程の「遺伝子実験学演習」および「遺伝子実験学特論」の一部として企画したものですが、ご興味のある方はどなたでも参加できます。多数の方の御来聴を歓迎いたします。

===== 第82回遺伝子技術講習会 =====

主 催:熊本大学 生命資源研究・支援センター 遺伝子実験施設
テーマ:『可変型遺伝子トラップシステム』
日 時:2007年 1月23日(火) 18:00〜19:30
場 所:熊本大学 生命資源研究・支援センター
    遺伝子実験施設 6階 講義室(602)
講 師:熊本大学 生命資源研究・支援センター
    バイオ情報分野 (遺伝子実験施設) 助教授  荒木 正健
内 容:
 遺伝子改変マウスは、個体レベルで遺伝子機能解析を行うための有力なツールである。
 我々のグループでは、部位特異的組換えシステムであるCre-loxシステムを応用し、単なる遺伝子破壊型の変異を作り出すだけではない「可変型遺伝子トラップ法」を開発し、様々な改良を加えてきた。2004年8月には、可変型遺伝子トラップクローンデータベース;EGTC(Database for the Exchangeable Gene Trap Clones)を構築し、全世界に公開している。2006年12月末現在175クローンを登録しており、その7割以上は既にキメラマウスを作製し、マウスラインを樹立している。また、国家レベルで大規模に遺伝子トラップ事業を進めているBayGenomics (USA), Sanger Institute (UK), GGTC (Germany)等と連携し、IGTC(International Gene Trap Consortium)のメンバーとしての活動も行っている。IGTCには、約6万クローンのES細胞が登録されており、既に1万1千遺伝子以上をカバーしているので、これからノックアウトマウスの利用を検討している研究者は必見である。
 本セミナーでは、変異lox配列を利用した遺伝子挿入及び遺伝子置換の実例も含めて、『可変型遺伝子トラップシステム』の原理と特徴を説明する。また「EGTC」及び「IGTC」の上手な利用法についても紹介する予定である。