下記日程で、遺伝子技術講習会を開催します。多数の方の御来聴を歓迎いたします。

第140回遺伝子技術講習会

人工ヌクレアーゼを用いた

     様々な生物や培養細胞でのゲノム編集

日付:2012年 6月 14日(木)16:00〜 17:00

場所:熊本大学 生命資源研究・支援センター
           遺伝子実験施設 6階【602】講義室

講師: 広島大学 大学院理学研究科
      数理分子生命理学専攻  教授 山本 卓先生 
   

内容:

近年、様々な生物種において目的の遺伝子を改変する技術として、人工ヌクレアーゼを利用した“ゲノム編集”が注目されている。ゲノム編集は、標的遺伝子の破壊(ノックアウト)や外来遺伝子の付加(ノックイン)が可能であることから、次世代の遺伝子改変技術として注目されている。これまで使われていた人工ヌクレアーゼzinc-finger nuclease(ZFN)に加えて、標的配列選択の自由度が高く作製の簡便なtranscription activator-like (TAL)effector nuclease(TALEN)が開発され、様々な生物と培養細胞(ES細胞やiPS細胞を含む)でのゲノム編集が競って進められている。 人工ヌクレアーゼによって誘導されたDNA二本鎖切断は、主に非相同末端連結によって修復されるが、その過程でしばしば塩基の欠失や挿入が起こり、標的遺伝子が破壊される。また、ドナー構築(標的遺伝子の相同配列を両端にもつ外来遺伝子)を共導入すると、相同組換えによる遺伝子付加(gene addition)が可能となる。これまで様々な動物(ゼブラフィッシュやラットなど)および培養細胞(ES細胞やiPS細胞を含む)において、ZFNやTALENを利用した遺伝子破壊の成功例が報告されている(Urnov et al., 2010)。我々のグループでは、自作のZFNを用いてウニ胚標的遺伝子への変異導入やレポーター遺伝子を挿入したウニ胚でのライブイメージングを行ってきた。さらに、昨年からオープンリソースを利用したTALEN作製システムを立ち上げ、培養細胞や動物個体での変異導入の可能な複数のTALENを作製している。本セミナーでは、これまで我々が行ってきたゲノム編集研究について紹介すると共に、ZFNとTALENを用いた動物や培養細胞でのゲノム編集研究の現状を紹介する。


※遺伝子技術講習会および使用説明会は、遺伝子実験施設未登録の方でも参加可能です。是非、周囲の方にお知らせください。