下記日程で、遺伝子技術講習会を開催します。多数の方の御来聴を歓迎いたします。

第136回遺伝子技術講習会

『次世代シーケンサを活用した、

 パーソナルゲノムに基づくヒト遺伝性疾患の解析

日付:2012年 2月 13日(月)15:00〜16:00

場所:熊本大学 生命資源研究・支援センター

   遺伝子実験施設 6階【602】講義室

講師: 琉球大学大学院医学研究科 遺伝医学講座 准教授 要 匡 先生

内容:

 遺伝(子)が関わる疾患は、現在7000以上知られており、その原因となる分子メカニズムを基にした診断や治療の実現が望まれる。しかしながら、2003年のヒトゲノムプロジェクト終了宣言後、約9年を経た今日において、未だにその半分以上は原因遺伝子すら判明していない。

 これは、患者のほとんどが孤発例といった連鎖解析等が困難な疾患があることや、個々の詳細なゲノム解析には労力や時間、コストがかかり過ぎることなどが要因となっていたと考えられる。

 ところが、近年、高速大量シーケンスを実現できる次世代シーケンサの登場と、その周辺技術の進歩により、それら疾患の分子メカニズムを短時間で解明できる可能性が急速に高まりつつある。とりわけ、対象ヒトゲノムから全エクソン領域をキャプチャーし、次世代シーケンサを用いてすべてをシーケンスする、いわゆるwhole exome解析は、遺伝性疾患の原因解析に大きな進展をもたらし、海外では、本手法による原因解明が大きなうねりとなって押し寄せている。

 本セミナーでは、まず、急速に発展を遂げている次世代シーケンサの概要を述べた後、次に、私たちが現在までに次世代シーケンサを用いて、候補領域再シーケンス解析、exome解析を行った遺伝性疾患(ALS、Lenz小眼球症候群、acrodysostosisなど)の実際について紹介する。そして最後に、これら経験をもとに解析を行う際の問題点や注意すべきポイント、今後について議論したい。 

※遺伝子技術講習会および使用説明会は、遺伝子実験施設未登録の方でも参加可能です。是非、周囲の方にお知らせください。