下記日程で、第125回遺伝子技術講習会を開催します。多数の方の御来聴を歓迎いたします。
第125回遺伝子技術講習会
『生物発光技術による細胞機能解析の新展開』
〜多色発光アッセイ、発光イメージングアッセイ、分泌型ルシフェラーゼアッセイ〜
開催日時:2011年1月11日(火)17:00〜18:00
場 所:熊本大学 生命資源研究・支援センター
遺伝子実験施設 6階 講義室【602】
講 師:産業技術総合研究所 健康工学研究部門
中島 芳浩 氏
概 要:
各種の発光生物から得られた生物発光プローブは日本が先導する独創的な技術であり、生体情報を様々な角度から解析できるユニークな技術である。生物発光プローブから発する光は、発光基質であるルシフェリン(発光基質の総称)を発光タンパク質であるルシフェラーゼ(発光タンパク質の総称)が酸化、ルシフェリンが励起状態から基底状態に遷移する際に極めて高い光エネルギーを放出することにより生じる。このルシフェリン-ルシフェラーゼ反応を、目的とする生物や細胞で再構成させることにより、発光プローブは遺伝子発現検出、タンパク質相互作用、翻訳後修飾などの種々の細胞内イベントを簡便且つ定量的にモニターするレポーターアッセイとして汎用されている。近年では、新規の発光プローブ単離・改良や発光測定技技術の進展にともない、ハイスループット測定が可能なエンドポイントアッセイ、数日~数週間の長期間の遺伝子発現を検出するリアルタイムモニター、個体におけるガン細胞の増殖等を検出するin vivoイメージング、1細胞における細胞内情報を可視化するシングルセルイメージングシステムなど、バラエティーに富んだ発光測定が可能となっている。本セミナーでは、近年の目覚しい生物発光による細胞機能解析の技術動向について紹介するともに、多色発光レポーターシステムを中心に我々のグループで独自に開発した新規発光レポーター系についても紹介し、生物発光技術の可能性について議論したい。