下記日程で、第112回遺伝子技術講習会を開催します。多数の方の御来聴を歓迎いたします。

 第112回遺伝子技術講習会

『Targeted Genome Editing with Zinc Finger Nucleases』

〜 ゲノム工学の革命 あらゆる生物/細胞のゲノム改変を可能とする新しいツール 〜

開催日時:2009年 8月31日(月) 14:00〜15:30
場 所:熊本大学 生命資源研究・支援センター
    遺伝子実験施設 6階 講義室【602】
講 師:シグマ アルドリッチ ジャパン ライフサイエンス事業部 杉本 義久
概 要:
Zinc Finger Nucleaseの利点
・ゲノム上の任意の遺伝子座についてノックアウト、ノックインが可能
・導入された変異は永続的かつ次世代へ
・さまざまな細胞種で使用可能
・遺伝子の変異は1度のトランスフェクション操作のみ、約2ヶ月でノックアウト・ノックイン細胞株の構築が可能
・高効率(1〜20%)

 Zinc Finger Nuclease (ZFN) は、Zinc fingerモチーフとヌクレアーゼ機能ドメインからなる人工キメラタンパク質であり、配列特異的にDNAを切断することができます。この技術を応用することにより、ゲノムDNA上の任意のターゲット配列にDouble Strand Breakを非常に高い確率で引き起こすことができます
 シグマ アルドリッチではSangamo Biosciences社との提携により、任意の標的配列に特異的に結合するZinc Fingerモチーフを自由に設計することができるようになりました。 
 ZFNと細胞の持つゲノム修復機構を利用することにより、標的配列特異的なノックアウトが可能となります。そのため、従来熟練した技術と長い時間を必要とした遺伝子ノックアウトが、体細胞レベルで簡便にかつ短時間で行うことが可能になります。また、ZFNとともにDonorとなるDNA断片を細胞内に導入することにより、標的部位特異的にノックイン・置換も自由に行えることになります。
 さらにZFNを受精卵に導入することにより、ES細胞を用いることなくゲノム改変生物を作出することが可能となります。本技術を利用することで、従来マウスでのみ可能であったノックアウト・ノックイン系統の樹立が、あらゆる生物種で行うことが出来ます。
 以上の様に、ZFNは今まで非常に困難であった体細胞/個体レベルでの配列特異的ゲノム改変を可能にする画期的な技術です。本セミナーではZFNを用いた実験アプリケーションとシグマアルドリッチが提供するサービスについて説明いたします。

Zinc Finger NucleaseテクノロジーURL