第111回遺伝子技術講習会
『インビトロジェン テクニカルコアセミナー』
開催日時:2009年 8月19日(水) 14:00〜16:30場 所:熊本大学 生命資源研究・支援センター
遺伝子実験施設 6階 講義室【602】
概 要:
14:00~15:10 RNAi セミナー 〜RNAi 実験の基礎からin vivo への応用まで〜
講 師:ライフテクノロジーズジャパン(株) 上野 雄介
15:20~16:30 幹細胞およびiPS培養における基礎培養技術から臨床応用への展望
講 師:ライフテクノロジーズジャパン(株)サイエンスオフィサー 戸須 眞理子
*RNAi セミナー 〜RNAi 実験の基礎からin vivo への応用まで〜
今回のセミナーは、これからRNAi実験を始められる研究者の方および現在in vivo RNAiを検討されている研究者の方を対象にした内容になっております。RNAiは標的遺伝子発現の量的減少もしくは欠失により機能消失を引き起こすことで標的遺伝子を介する細胞内情報伝達機構および標的遺伝子が関与する表現型を解明するためのテクニックであり、in vitro でのRNAiは遺伝子の機能解析に必須なテクニックになっています。本セミナーではsiRNAを用いたRNAi実験手法の基本についてご紹介すると共に、現在RNAi実験において問題となっているオフターゲット効果などについてご紹介いたします。また、化学修飾型siRNA (Stealth RNAi) とカチオン性脂質を主成分としたin vivo 用導入試薬(invivofectamine)を用いることにより、がん細胞移植モデル、肺、肝臓、腎臓および脾臓で約70%の遺伝子発現抑制効果を得ることができましたので、これらの試薬を用いたin vivo RNAi実験についてもご紹介いたします。
*幹細胞およびiPS培養における基礎培養技術から臨床応用への展望
iPS細胞の樹立の成功は、分化・発生分野の研究のみならず、医療、創薬における早期実現化の期待が高まっています。さらに、ヒト胚性幹細胞や体性幹細胞の再生医療、細胞治療を視野にいれた研究も活性化されてきました。LifeTechnologies社では、細胞による医療分野を戦略分野として、幹細胞や初代培養細胞の培養技術・製品そして研究ツールの開発に力を入れています。本セミナーでは、①幹細胞の基礎研究から臨床応用への適応までを考え、すべての成分が明らかで異種動物由来成分不含であり、Regulatory Scienceの面からも注目されている新たなXenogenic-free培養システムについてご紹介をいたします。②遺伝子導入が難しい幹細胞や初代培養細胞への効率的な遺伝子導入ための、新しいエレクトロポーレーション法のツールをご紹介します。③新しく開発された部位特異的遺伝子導入法についてご説明いたします。この技術を用いることで、ゲノム上の一定の位置に目的の遺伝子を安定に構築して発現させることができます。Jump-In Gateway Systemを使ったヒト胚性幹細胞への導入の実験例もお示しいたします。