アクティブボード・2018年 3月
     ・・・・・2018年 3月 1日作成・・・・・
研究発表を行った学会;
   さきがけ・CREST合同会議
   2016年11月18日(東京)
タイトル;脳神経系細胞分画技術を基盤とした体細胞変異の解析.
発表者;文東 美紀 氏
   (熊本大学 大学院生命科学研究部 分子脳科学分野)
要旨;
 従来の生物学では、同一個人におけるすべての細胞や組織は、同一のゲノム配列を持つと考えられてきたが、近年のゲノム・神経科学の急速な進展により、一塩基変異(SNV)やコピー数変異(CNV)など、様々な種類の体細胞変異を含んでいることが明らかになりつつある。脳神経系細胞のゲノムDNAではこれらに加えて染色体異数性やレトロトランスポゾンの新規挿入など、脳神経特異的な体細胞変異が生じることが知られており、高次脳機能や精神神経疾患の病因・病態と密接に関連していると考えられている。これらの現象は稀な頻度で、かつ単一細胞レベルで生じると考えられることから、体細胞変異の研究には単一細胞ゲノム解析が必須である。本課題では、脳神経系単一細胞ゲノム解析のための基盤技術の確立を行い、健常者や統合失調症患者のさまざまな脳細胞種における体細胞変異のランドスケープを明らかにすることを目指す。