アクティブボード・2018年 1月
     ・・・・・2018年 1月 5日作成・・・・・
研究発表を行った学会;
   第25回日本血管生物医学会学術集会
   2017年12月 8日(大阪)
タイトル;マウス胎生期の腎臓における血管内皮細胞の分布と遺伝子発現.
発表者;村上 陽一 氏
   (熊本大学 発生医学研究所 腎臓発生学分野)
要旨;
 これまでマウス胎生期の腎臓における血管内皮の分布 (Robert et al. Am J Pathol, 1998) や遺伝子発現(Brunskill et al. PLoS One, 2010)については若干の報告があるものの、腎臓発生初期における血管内皮細胞の立体的な分布や詳細な遺伝子発現についての報告はまだ無い。本研究の目的は、腎臓血管内皮の発生を形態形成と遺伝子発現との両面から明らかにすることである。我々は腎臓発生の初期にあたる胎生11日目から13日目までの血管内皮細胞を whole-mount 免疫染色ならびに透明化法を用いて立体的に観察した。これにより、胎生11日目に腎臓内に存在する血管内皮細胞はNRP2陽性であり静脈の性質をもっていること、胎生12日目に腎動脈が形成され静脈と併走していること、胎生12日目の腎動脈が総腸骨動脈からも分岐していることが明らかとなった。また、胎生12日目の腎臓ならびに大動脈における血管内皮細胞を Fluorescent activated cell sorting (FACS) で単離し、マイクロアレイ解析によって遺伝子発現を比較した。これにより、腎臓発生初期における腎臓の血管内皮細胞は、既に大動脈の内皮細胞とは異なる遺伝子発現を有することが明らかとなった。さらに、将来、多能性幹細胞から腎臓血管内皮を誘導した際のアッセイ系を確立するために、腎臓の血管内皮を大動脈の血管内皮と入れ替えた上で再構成する実験も行っている。