アクティブボード・2015年 1月
     ・・・・・2015年 1月 8日更新・・・・・

研究発表を行った学会;
・第37回日本分子生物学会年会
 2014年11月25日〜27日(横浜)
タイトル;マウス胚脊索形態形成の胚体外組織による力学的制御.
発表者;佐々木 洋 氏
   (熊本大学 発生医学研究所 分化制御分野)
Abstract;
哺乳類胚は胚体外組織と共に発生するが、胚体外組織は、胚の子宮への着床、胚に栄養やパターン形成シグナルの供給などにより、胚の発生を支えている。本研究では、マウス胚において、胚体外組織と胚によってつくられる羊膜腔の膨張が、脊索の形態形成である収斂伸長に必要な物理的な力を供給していることを示す。脊索は前後軸方向に引っ張られており、収斂伸長が起こるためには羊膜腔の膨張が必要である。数理モデルと物理シミュレーションは、脊索が前後方向に長い長方形をしていることが、羊膜腔の等方性の膨張により、脊索に前後軸方向への異方性の力を与えることを示唆した。脊索の収斂伸長は平面内細胞極性(PCP)シグナルによって制御されているが、羊膜腔の膨張はPCPシグナルの上流で作用していることが示唆された。これらの結果は胚体外組織の胚に形態形成を制御する力を供給源としての重要性を示している。