アクティブボード・2014年 9月
     ・・・・・2014年 9月 4日更新・・・・・

研究発表を行った学会;
・第61回日本ウイルス学会学術集会
 2013年11月10日12日(神戸)
タイトル;HIV-2 Vpx蛋白質の多量化の解析.
発表者;藤野 悠那 氏
   (熊本大学 大学院薬学教育部 生体機能分子合成学分野)
Abstract;
1型ヒト免疫不全ウイルス(HIV-1)はアクセサリーVpr蛋白質を持つが、2型ヒト免疫不全ウイルス(HIV-2)はVprに加えてその類似蛋白質Vpxも持つ。VpxはマクロファージでのHIV-2増殖性を付与するとともに、T細胞における増殖にも重要であることが知られている。近年、マクロファージでのウイルス増殖におけるVpxの役割は、抗ウイルス宿主蛋白質SAMHD1とDCAF1のアダプターとなり、結果としてSAMHD1をプロテアソーム分解することである、と報告された。我々は、Vpxの全長にわたる点変異体19個を作製し、ウイルス増殖に関わるアミノ酸を決定したが、その中にはSAMHD1結合部位やDCAF1結合部位と考えられるものもある。しかし、機能が説明できないアミノ酸も多数存在している。一方、蛋白質の多量体形成は、しばしば自身の機能発現において重要な役割を担うことが知られている。そこで本研究では、Vpxの多量体形成に関わるアミノ酸残基を決定し、多量体形成が機能発現にどのように関わるのか検討することを目指した。