アクティブボード・2014年 4月
     ・・・・・2014年 4月 4日更新・・・・・

研究発表を行った学会;
・第7回オートファジー研究会
 2013年12月19日〜21日(静岡県掛川市 ヤマハリゾートつま恋)
タイトル;オートファジー不全がもたらす慢性膵炎発症メカニズムの解析.
発表者;大村谷 昌樹 氏
   (熊本大学 生命資源研究・支援センター 技術開発分野)
Abstract;
慢性膵炎は、膵臓の“線維化”と“実質細胞の脱落”を特徴とする、原因不明の慢性炎症性疾患である。今回、遺伝性膵炎の原因遺伝子SPINK1のノックインマウスを樹立した。このマウスでは、野生型Spink3遺伝子の発現量に比較し、SPINK1の発現が約70%低下しており、発育遅延が見られたが、成獣まで成長し、致死性は見られなかった。生後4週齢では、膵臓の萎縮に加え、膵外分泌を担う腺房細胞の脱落、広範な線維化、炎症細胞の浸潤を認めた。出生直後から4週齢までの膵臓を解析した結果、多数の空胞とLC3-IIの亢進を確認したが、同時に、残存した腺房細胞にp62蛋白の異常蓄積が確認された。さらに、このマウスでは、膵内トリプシン活性が高値であったことから、オートファジー不全に伴うp62蛋白の蓄積とトリプシンの異所性(膵内)活性化が慢性膵炎発症に関わっている可能性が示唆された。