アクティブボード・2013年11月
     ・・・・・2013年11月 3日更新・・・・・

研究発表を行った学会;
・第60回日本実験動物学会総会
 2013年 5月15日〜17日(つくば)
タイトル;可変型遺伝子トラップクローンを利用したCre-driverマウスの作製.
発表者;荒木 喜美 氏
   (熊本大学 生命資源研究・支援センター 疾患モデル分野)
Abstract;
【目的】遺伝子の機能解析を効率良く行うために、目的とする組織・細胞においてのみ目的とする遺伝子を破壊することが出来るコンディショナル・ノックアウトマウスを作製するプロジェクトが全世界的に進展している。しかしながら、そこで重要な役割を演じるCre-driverマウスの整備はまだ進んでいない。我々は、可変型遺伝子トラップ法を開発し、データベース;EGTC (http://egtc.jp)を公開している。本研究は、このEGTCクローンのレポーター遺伝子をCre遺伝子に置き換えることで、良質なCre-driverマウスを作製することを目的としている。
【方法】Cre遺伝子及びCre-mERT2遺伝子をノックインしたES細胞株を作製し、マウスラインを樹立する。レポーターマウスであるROSA26Rマウスと交配し、得られた産仔の各種臓器を摘出し、X-gal染色を行なう。
【結果および考察】本研究は平成19年度にスタートした。当時EGTCに登録していた411クローンの中から、既知遺伝子をトラップし、マウスラインを樹立している135クローンを選別し、さらにEST Profile (UniGene)において、主立った組織・臓器で発現が報告されている遺伝子を選択した。その後、実際にEGTCマウスラインのX-gal染色を行い、その結果に基づいて選択する様にシフトした。
 Cre遺伝子挿入ベクターとして、主にpKSANCrePP(略称SAC、構造loxK3-SA-Cre-pA-FRT-Puro-FRT-loxP)と、pmERT2(略称mERT2、構造loxK3-SA-Cre-mERT2-pA-FRT-PGK-Puro-FRT-loxP)を使用した。平成24年12月末までに、Cre-driver ES細胞株を100クローン以上作製した。そのうち約50クローンについてキメラマウスを作製し、既に約30クローンのマウスラインを樹立している。順次、ROSA26Rとの交配を進めており、X-gal染色を行った結果についても紹介する。