アクティブボード・2013年 8月
・・・・・2013年 8月 4日更新・・・・・
研究発表を行った学会;
・第27回モロシヌス研究会
2013年 6月28日〜29日(つくば)
タイトル;Analysis of gene-trap mouse lines trapping long non-coding RNA genes. (Part 2).
発表者;山添 史雅 氏
(熊本大学 生命資源研究・支援センター バイオ情報分野)
Abstract;
【背景・目的】タンパク質をコードしないRNA (ncRNA) の機能は、少数例を除きまだほとんど解明されていない。近年、遺伝子の間に存在する比較的長いncRNA (lincRNA) の発見が注目を集めているが、報告されているのは培養細胞でのsiRNAを用いたノックダウン実験がほとんどである。EGTCにはlincRNAをトラップしていると予想されるクローンが多数あり、その中の13クローンについて、実際にマウスラインを樹立した。本研究では、そのマウスを用いて個体レベルでの詳細な機能解析を行うことを目的とした。
【方法】まず、13ライン全てについて、アダルトへテロマウスの雄雌各3匹ずつの各組織のX-gal染色を行い、トラップしたlincRNAがどこで発現しているのかを調べた。また、13ライン全てについて、ヘテロ接合体同士の交配を行い、ホモ接合体の表現型を観察した。主に、胎生致死があるかどうか、またそうでない場合にヘテロ接合体と野生型とホモ接合体の割合はどの程度なのかについて観察を行っている。
【結果】13ライン全てのX-gal染色を行ったところ、ほとんどのラインにおいて弱い染色が見られた。ラインによってその染色部位は異なっている。また、ヘテロ接合体同士の交配においては、胎生致死は今のところ見られず、ホモ接合体は産まれてきている。X-gal染色では、その発色が弱いため、今後はその産まれてきたホモ接合体を用いてX-gal染色を行いたいと考えている。また、染色部位の詳細な同定のために、切片解析も行っているところである。