アクティブボード・2013年 8月
     ・・・・・2013年 8月 4日更新・・・・・

研究発表を行った学会;
・第27回モロシヌス研究会
 2013年 6月28日〜29日(つくば)

タイトル;Analysis of gene-trap mouse lines trapping long non-coding RNA genes. (Part 1).
発表者;柳井 千佳 氏
   (熊本大学 生命資源研究・支援センター バイオ情報分野)
Abstract;
【背景】私たちは、遺伝子を破壊した後で様々な修飾を行うことのできる可変型遺伝子トラップ法を開発し、その成果をデータベース: EGTC (http://egtc.jp/)にて公開している。この遺伝子トラップ法の利点の一つは、未知の遺伝子を単離することができることである。
近年、通常の遺伝子と同じヒストンのメチル化パターン(K4-K36 domain)を持つ、遺伝子の間に存在する長いncRNA(lincRNA)が数多く同定された(Mitchell Guttman et al.Nature 458,2009)。そこで、EGTCトラップクローンの中に、lincRNAをトラップしたものがないか検討することにした。
【方法】UCSCゲノムブラウザのBLAT searchを用いて、5’RACE等で得られたGSS Tagをマウスゲノム上にマップした。Guttmanらが同定した1674のK4-K36ドメインと比較し、一致するものがあるかどうかを検討した。
【結果】2011年12月の時点で、EGTCに登録している1046クローンの中で、既知遺伝子をトラップしたものが907、ESTの情報しかないもの(EST)が82、ESTの情報もないもの(NEW)が 57であった。これらのトラップクローンの中で、公表されたlincRNAと一致するもの、あるいはその近くにマップされるものが32クローンあった。
その中の13クローンについてマウスラインを樹立し、個体レベルでの機能解析を行うことにした。