アクティブボード・2012年 4月
・・・・・2012年 4月 5日更新・・・・・
研究発表を行った学会;
・第34回日本分子生物学会
2011年12月13日〜16日(横浜)
タイトル;EGTCマウスラインのGene Ontology解析.
発表者;荒木 正健 氏
(熊本大学 生命資源研究・支援センター バイオ情報分野)
Abstract;
我々は、遺伝子の機能解析を行うために有用なバイオリソースとして、可変型遺伝子トラップクローンデータベース(EGTC)を構築し公開している[http://egtc.jp]。2011年6月末時点で、ES細胞として1028クローンを登録しており、そのうち378クローンについてはES細胞からキメラマウスを作製し、マウスラインを樹立して、CARD R-BASE [http://cardb.cc.kumamoto-u.ac.jp/transgenic/index.jsp] に寄託済みである。
そこで今回、CARD R-BASEに寄託しているマウスラインについて、そのトラップしている遺伝子をMouse Genome Informatics (MGI)のGene Ontology (GO) Classificationsを用いて解析したので報告する。
CARDに寄託している378マウスラインの中で、Biogical processのClassification Termを持つものが233ライン、Cellular componentが249ライン、Molecular functionが224ラインであった。Biogical processについてはregulation of transcription, DNA-dependentが38ライン(10%)で最も多く、以下、transcription, DNA-dependent(33ライン)、transport(30ライン)、metabolic process(24ライン)と続いた。Cellular componentについては、nucleusが116ライン(31%)で最も多く、cytoplasm(103ライン)、membrane(82ライン)と続いた。Molecular functionについては、protein bindingが63ライン(17%)で最も多く、metal ion bindingも61ライン(16%)でほぼ同じであった。以下、DNA binding(42ライン)、nucleotide binding(39ライン)、ATP binding(29ライン)、zinc ion binding(29ライン)と続いた
378ラインの中で、タンパク質をコードしている遺伝子であるKEGG geneは285ラインで、KEGG PATHWAYの情報があったのは83ラインであった。その解析結果も併せて報告するが、GO解析を行うことで、EGTCマウスラインが遺伝子機能を個体レベルで解析するための重要なリソースであることを再確認できた。