アクティブボード・2011年10月
     ・・・・・2011年10月 3日更新・・・・・

研究発表を行った学会;
・第33回日本分子生物学会年会
 2010年12月 7日〜10日(神戸)

タイトル;EGTCマウスラインのKEGG PATHWAY解析.

発表者;荒木 正健 氏
   (熊本大学 生命資源研究・支援センター バイオ情報分野)
Abstract;
 我々は、遺伝子の機能解析を行うために有用なバイオリソースとして、可変型遺伝子トラップクローンデータベース(EGTC)を構築し公開している[http://egtc.jp]。2010年6月末時点で、ES細胞として847クローンを登録しており、そのうち321クローンについてはES細胞からキメラマウスを作製し、マウスラインを樹立して、CARD R-BASE
[http://cardb.cc.kumamoto-u.ac.jp/transgenic/index.jsp] に寄託済みである。
 そこで今回、CARD R-BASEに寄託しているマウスラインについて、トラップしている遺伝子の解析を行ったので報告する。
 CARDに寄託している321マウスラインの中で、既知遺伝子をトラップしていたのが277ライン(86.3%)、EST情報しか無いのが25ライン(7.8%)、ESTすら登録されていないのが19ライン(5.9%)であった。既知遺伝子の中でタンパク質をコードしている遺伝子であるKEGG geneをトラップしていたのは234ライン(72.9%)であった。この中でトラップした遺伝子をKEGG PATHWAYにマップできたのは64ラインであった。ひとつの遺伝子が複数のパスウェイにマップされているため、EGTCマウスラインはトータル183パスウェイに関与していることが分かった。First Level Networkで一番多かったのは”5. Organismal Systems”(25%)であった。Second Level Networkに関しては、”3.2 Signal Transduction”(21ライン、11%)、”6.1 Cancers”(19ライン、10%)、”5.1 Immune System”(18ライン、10%)の順に多かった。単独のパスウェイで一番多かったのは”mmu01100 Metabolic pathways”(11ライン、6%)であった。