アクティブボード・2010年1月
・・・・・2010年 1月 5日更新・・・・・
研究発表を行った学会;
・第32回日本分子生物学会年会
2009年12月9日〜12日(横浜)
タイトル;可変型遺伝子トラップマウスを利用した遺伝子発現プロファイル解析.
発表者; 吉信 公美子 氏
(熊本大学 生命資源研究・支援センター バイオ情報分野)
Abstract;
発現パターン解析は、遺伝子機能の予測や新たな遺伝子機能の発見につながる重要な情報源となる。我々は、マウス個体の発現プロファイルを作製する目的で、可変型遺伝子トラップマウスを用い、トラップした遺伝子の発現パターン解析を行った。トラップベクターにはレポーター遺伝子としてβ-geo遺伝子を用いており、β-geoタンパク質の発現部位をX-gal染色で容易に検出できる。そこでアダルトマウスの各種臓器を摘出し、X-gal染色を行った。解析対象は、脳、胸腺、肺、心臓、肝臓、脾臓、膵臓、腎臓、副腎、腸、生殖器などである。これまで、可変型遺伝子トラップクローンデータベース(EGTC)登録クローンのうち、36クローンを解析した。さらにこれらの発現パターンを、EST発現プロファイルデータベースであるEST profile(UniGene)と比較した。本学会ではそれらの結果について報告する。
また近年、コンディショナル・ノックアウトの需要が高まっているが、組織特異性を示すCreドライバーマウスの種類は限られており選択肢が少ないのが現状である。EGTCクローンは、挿入されたトラップベクター内のlox配列を利用してCre遺伝子を挿入し、Creドライバーマウスを作製することが可能である。そこで、今回解析した発現プロファイルから組織特異性を示すマウスラインの探索を試み、Creドライバーマウスとして有用なラインがあるか検討した。