アクティブボード・2009年 5月
     ・・・・・2009年 5月17日更新・・・・・

研究発表を行った学会;
・第31回日本分子生物学会.
 2008年12月 9日〜12日(神戸)

タイトル;ヒト椎間板組織におけるSickle tail(SKT)の発現解析.
 
発表者; 仙波 圭 氏
   (熊本大学 生命資源研究・支援センター 表現型クリニック分野)
Abstract;
 ヒト椎間板細胞で発現する遺伝子に関する知見はまだ十分ではなく、特に、椎間板組織で主に発現する遺伝子の報告は少ない。2006年、我々のグループより報告したマウスSickle tail (Skt)遺伝子は、発生初期より脊索組織で特異的に発現し、成体においても脊索の遺残である椎間板髄核組織において特異的に発現していることを報告した。今回の研究では、マウスSkt遺伝子のヒトホモログであるヒトSKT遺伝子の構造、発現、細胞内局在に加えて、椎間板における発現細胞を調べ、SKTの特徴を検討することである。我々が椎間板髄核組織よりクローニングしたSKT配列は, マウスSkt配列に対しアミノ酸レベルで85.8%と高いホモロジーを示した。ヒトSKTとマウスSktの遺伝子構造を比較したところ、マウス遺伝子の上流2つのエキソンがヒトで無い以外は全く同じ構造をしていることが分かった。抗SKT抗体を使用した免疫染色では、SKTを強制発現させたBMT10培養細胞および椎間板髄核細胞の両者とも、細胞質でSKT蛋白の局在を認めた。これは、マウスにおける解析結果と同様であった。