アクティブボード・2009年 1月
・・・・・2009年 1月 9日更新・・・・・
研究発表を行った学会;
・2008年度 白馬シンポジウム.
2008年12月 7日(長崎)
タイトル;強力な抗V3抗体に対するHIV-1BaLの中和逃避メカニズムの解析.
発表者; 畑田 万紀子 氏
(熊本大学 エイズ学研究センター 病態制御分野)
Abstract;
D-247はHIVエンベロープたんぱく質であるgp120-V3のtip領域に反応し、プライマリーウイルス株に対しても交差中和を示す強力なモノクローナル抗体である。今回我々は、R5株としてはよく用いられているHIV-1BaLを用いてin vitroでKD-247に対する中和逃避ウイルス誘導を行い、中和抵抗性の機序を解析した。シークエンス解析の結果、KD-247耐性ウイルスは、エンベロープgp120 V2領域にN-glycosylation site (PNGS)の挿入およびV3-tipに変異が見られた。これら変異株の複製能力は、V3単独変異では野生株と同等の複製能を示すが、PNGS挿入のみの変異株は複製能が著明に低下した。ところが PNGS挿入とV3変異の両方をもつものは、野生株と同等の増殖能を示すことが確認された。