アクティブボード・2007年 1月
・・・・・2007年 1月 8日更新・・・・・
研究発表を行った学会; 第36回日本免疫学会総会・学術集会
2006年12月11日〜13日(大阪)
タイトル; Role of GANP in regulation of DNA repair mechanism associated with Ig class-switch recombination.
発表者; 吉田 尊 氏
(熊本大学 大学院医学薬学研究部 免疫学分野)
Abstract;
GANPのB細胞特異的欠損マウスを用いてDNA組み換え機能、特にクラススイッチの制御を検討した。本研究では、胚中心B細胞でT細胞依存性抗原に対しIgG1とIgEへのクラススイッチが亢進するのを抑制するメカニズムが存在することを示した。親和性成熟が低下を認めていたB細胞特異的欠損マウスは、驚くことにクラススイッチの亢進を認めた。In-vitroの研究では、ヘテロ欠損マウスにおいてCD40 ligation+IL-4の刺激でIgG1特にIgEへのCSRが亢進し、そのクラススイッチの接合部位の塩基配列の解析から 通常認められるNHEJ優位ではなくatypicalなMicrohomology-mediated End-joining (MMEJ)が増加していた。Lipopolysacchride (LPS)刺激においては野生型と比べいずれの変化も認めなかった。GANPが選択的に胚中心においてイムノグロブリンクラススイッチを制御していることを示している。In-vivoの研究にてヘテロマウスにおいて血清IgEの高値とCSRの亢進を認め、ホモマウスにおいてはCSRの亢進を認めるが最終的には 結果としてapoptosisとなっていた。GANPは免疫反応において胚中心B細胞でのaberrantなCSRを抑えるに必須である。